蓄積ヒストリー

内向型女子32歳。東京で、もがいて痛みながら作り出す、余白のある人生。

都市 まち 歴史

練り歩くなら練馬―崖線に、カラフル暗渠と広い空を添えて―(白子川崖線編)

東京は、まだまだ奥が深い。遠出しにくい今こそ、足元の物語に目を向けてみる。 ねりねりねりま。湧水と緑、生きものたちに癒される旅。 小さな自然は、都市の中でもしっかり息づいている。川と地形は、人間の暮らしを支え、包み込んでいる。 さあ、あなたも…

東京・目黒川支流の暗渠を歩き尽くせ!vol.3―烏山川最上流部へ―「古地図を持て。冒険へ出よう。」

暗渠の魅力ってなんだろう?どこまで続いているの?こっちに続きがあった!心のままに歩くワクワク。発展し尽くした都市の中に、突如現れる空白。そこだけ時空がゆがんでいる。暗渠を辿ること。それは、時の蓄積が放つ磁力を浴び、好奇心を満たす冒険。 「目…

北区赤羽・十条の3つの谷で味わう、廃線・団地・暗渠―都内屈指の高低差スポット―

絶対密にならない外出が、ここにある。東京都北区。新河岸川と隅田川、荒川放水路が広がる赤羽・十条付近。都内屈指の高低差スポットなのをご存知ですか?地図と地形をみてみましょう。 (一財)日本地図センターが作成した「東京時層地図」をキャプチャ (…

築地川が首都高速道路になるまで【最終章】―消えた川の歴史を未来へ活かす―

かつて、風情溢れる川として人々が集う場所だった東京・築地川。 そんな場所が、時代の波にのまれ、首都高速道路となった。 地域の歴史を塗り替える大きな変化は、なぜ受け入れられたのか?消滅した築地川の歴史はなかったものとなるのか?時代ごとに築地川…

築地川が首都高速道路になるまで・開通後、発展の影と人々の記憶―消えた川の歴史と向き合う―

かつて、風情溢れる川として人々が集う場所だった東京・築地川。 そんな場所が、時代の波にのまれ、首都高速道路となった。 地域の歴史を塗り替える大きな変化は、なぜ受け入れられたのか?消滅した築地川の歴史はなかったものとなるのか?シリーズで、築地…

高輪で見つけた、東京の「過去」「更新」「未来」―高輪消防署・高輪橋架動橋・高輪ゲートウェイ駅―

今、高輪がおもしろい。 今の高輪を歩けば、東京の「過去」「更新」「未来」が、全部見える。時の蓄積が、都市の歴史を作ることを感じられる。ギリギリ外出できた先週、春の高輪を歩いてきました。こんなご時世、ちょっぴりリラックス。まちあるき気分を楽し…

東京・目黒川支流の暗渠を歩き尽くせ!vol.2―うねる羅漢寺川、ありのまま今を生きる強さ―

なぜ、暗渠に心惹かれるのだろう。幼いころから、大好きだった暗渠。暗渠の何かが私を惹きつけてやまない。「目黒川支流の暗渠を歩きつくせ!大作戦」今回は、目黒川支流の代表選手、羅漢寺川へ。 ああ、うねりうねる羅漢寺川。暗渠愛の原点に気づかせてくれ…

東京・目黒川支流の暗渠を歩き尽くせ!vol.1―巨人の足跡、美しき谷、暗渠からのメッセージ―

「あなた最近疲れ気味。暗渠へ行きなさい」 天から声が降ってきました。そういえば、日常に追われて暗渠に全然行けてなかった……私は暗渠を歩くと、心にエネルギーが満ち溢れます。2月と3月は、仕事や婚活よりも、暗渠と向き合おうと決めました。笑今回は、…

上野・博物館動物園駅へ 一般公開と、京成本線の暗闇に浮かび上がる物語

東京の京成上野駅と、千葉の成田空港をつなぐ、京成本線。 上野の東京博物館のすみっこに、廃駅があるのをご存知ですか? その名も、博物館動物園駅。 営業は、1933年から1997年まで。 小さな駅舎は、帝都復興時代のモダンな美しさを湛えて、今もた…

下関行くなら巌流島へ行こう【山口県の絶景その2】

「ムサシ!」 「コジロウ!」 「ニャースでニャース!」 私にとって、ムサシコジロウといえばポケモンのロケット団。 1612年、宮本武蔵と佐々木小次郎が巌流島で決闘したんだぜ! そう言われてもピンときません… 12月末に2泊3日で旅した、山口県。(旅の行程…

長崎県の世界遺産 遠藤周作「沈黙」の舞台 外海(そとめ)の旅が、人生を静かに変えた話(潜伏キリシタンの里)

私の人生を、静かに変えた旅の話をします。長崎県外海(そとめ)の旅が、教えてくれたのは「愛」でした。 お話の舞台 出津文化村 www.kanko-sotome.com 外海詳細MAP 「あ! お客さん、200円多いですよ」 2014年9月、長崎県外海地区。出津(しつ)文化村でバ…

東中野はノスタルジック!?「喫茶ルーブル」と神田川支流の暗渠

東中野駅東口 喫茶ルーブルに惹かれて 東京都中野区の東中野駅。 ここ何年かはほぼ毎日、東中野を歩いているのに、飲食店や周辺のことをあまり知りませんでした。 無意識に「通りすぎる」場所であり、楽しむ場所ではなかったから。 でも、駅前で、必ず目に入…

築地川が首都高速道路になるまで・終戦から高度経済成長期【後編】―消えた川の歴史と向き合う―

かつて、風情溢れる川として人々が集う場所だった東京・築地川。 そんな場所が、時代の波にのまれて姿を変え、首都高速道路となった。 地域の歴史を塗り替える大きな変化は、なぜ受け入れられたのか? 消滅した築地川の歴史はなかったものとなるのか? シリ…

築地川が首都高速道路になるまで・終戦から高度経済成長期【前編】―消えた川の歴史と向き合う―

かつて、風情溢れる川として人々が集う場所だった東京・築地川。そんな場所が、時代の波にのまれて姿を変え、首都高速道路となった。地域の歴史を塗り替える大きな変化は、なぜ受け入れられたのか?消滅した築地川の歴史はなかったものとなるのか? シリーズ…

【東尋坊からバスで8分】福井県三国港で、古い町並みとレトロ建築を味わった1日

20代のうちに47都道府県制覇! 密かな野望を抱きつつ、時間が空けば旅をしています。 今年の目標は、北陸制覇。8月には富山県を旅しました。(雨の黒部ダムと称名滝など) そして10月。石川県と福井県へ行ってきました。 金沢と、福井県は東尋坊と三国湊へ。…

築地川が首都高速道路になるまで・明治時代から終戦編―消えた川の歴史と向き合う―

築地川を知っていますか? 東京の築地地域にかつて存在していた河川です。 存在していた?では、今は?? 築地川は干拓され、川底がそのまま首都高速道路となりました。 1962年に首都高速道路京橋~芝浦間が開通し、今は水ではなく、たくさんの車が流れてい…

中川支流の上流に行ってみたら、暗渠パラダイスだった件(埼玉県越谷市せんげん台)

幼いころから川と暗渠が大好きだった筆者。東京・中川の上流を地図で辿っていくうちに、住宅街の中にちりぢりに消える川を発見。川が山や池を源流としないなんて、いったいどういうこと?? せんげん台に拡散する中川の支流、新方川。川が消えた先に何があっ…

雨の黒部ダムを満喫してきた―難工事に思いを馳せて―

黒部立山アルペンルートの旅日1日目。念願かなってやってきたのは、黒部ダム!! but it was rainy 雨でした…しかもなかなかの強雨。 でも、しっかり満喫してきちゃった。 今日は、雨の黒部ダムをどうやって楽しんてきたのか?お伝えします!

田沢湖よいとこ一度はおいで~東京人のふるさと論~

「ふるさとはどこ??」 そう聞かれたら、東京生まれの東京育ちの人は、どのように答えるでしょうか。私は、言葉に詰まってしまいます。 東京は、可能性に満ちていて、猥雑で、刹那的で、うねりのある都市です。巨大な生き物ののようで、住んでいても、観察…

【感想】太田記念美術館 江戸の凸凹―高低差を歩く

原宿のがやがやした道から、一歩入ったところにある、太田記念美術館。浮世絵専門の美術館です。気になる展示があるときはよく行っています。6月は、「江戸の凸凹―高低差を歩く」という展示をやっており、趣味にドンピシャだったので見に行きました。笑www.u…

【感想】いだてん、とりあえず1回観てみて! (NHK大河ドラマ)

2019年NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」。 www.nhk.or.jp オリンピックを語る上で欠かせない、金栗四三と田畑政治の2人が主人公。 1912年日本のオリンピック初参加から1964年東京オリンピック開催までの歴史、スポーツ普及の歴史を描く物語…

都市とモーニング娘。って似てるよねって話。

突然ですが、私はハロプロのアイドル、モーニング娘。を全力で応援しています。 20年ほど前、父親が観ていたASAYANをふと観たのがきっかけでした。オーディションを受けて、普通の女の子がアイドルになって、デビューをする。 最初は垢抜けない子もだんだん…

浦安の歴史と向き合う―夢と幻の漁師町―

都市の歴史を知り、都市を歩き、空気を吸い、食べ物を食べる。 そこで感じた歴史の蓄積と、匂い立つ独自の文化を紹介するシリーズ。 今日は浦安です。え、浦安?ディスニーランド??確かに今は、夢と魔法の国、ディズニーランドのイメージが強い浦安。そし…

暗渠(あんきょ)―川の跡が語る過去の東京―

都市河川が大好きな28歳女子です。今日は東京の「暗渠」について語ります。暗渠ってなんだよ…って声がしますね。暗渠は、かつて川だったところ。川を埋め立てたり、蓋をしたり、下水道へ転用したりした場所。(蓋かけ暗渠 杉並区阿佐ヶ谷近辺)暗渠は、川だ…

福岡―大陸の風に吹かれて、いいもんが博く多く集まる都市―

こんにちは、ごんまです。 都市の歴史を知り、都市を歩き、空気を吸い、食べ物を食べる。 そこで感じた歴史の蓄積と、匂い立つ独自の文化を紹介するシリーズ。 今日は福岡です。 福岡は大陸に最も近いことから、古代には強力な国が栄えていました。 歴史の教…

戦前香る鶴見線国道駅で平成最後の日を過ごす

昨日は平成最後の日。どのように過ごしましたか? 私は鶴見線に乗りました。鶴見線は川崎の工業地帯の中を走る短い路線です。本線と支線がありますが、電車の本数が非常に少なく、全線制覇には綿密な計画が必要です。マイナー路線好きにはたまらない。車窓の…

都市が抱く歴史の積み重ね。ふと匂う瞬間を探し求めて

日本各地の都市を歩いていると、その都市が積み重ねてきた歴史がふと匂う瞬間があります。 ただ歩いているだけでは、今の姿しか見えない。けれど、足元には過去の人々の生活が、知恵が、努力が確かに存在する。そう実感する瞬間。 明るく語り継がれてきた過…