蓄積ヒストリー

内向型女子32歳。東京で、もがいて痛みながら作り出す、余白のある人生。

練り歩くなら練馬―崖線に、カラフル暗渠と広い空を添えて―(白子川崖線編)

東京は、まだまだ奥が深い。
遠出しにくい今こそ、足元の物語に目を向けてみる。

ねりねりねりま。
湧水と緑、生きものたちに癒される旅。

小さな自然は、都市の中でもしっかり息づいている。
川と地形は、人間の暮らしを支え、包み込んでいる。

さあ、あなたも。
練馬でリラックス!
本日は白子川崖線編です。

 

1 稲荷山憩いの森公園―崖線を味わう―

大江戸線光が丘駅から、バス停「土支田(どしだ)2丁目」で下車します。

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土支田2丁目は赤の〇のあたり。緑の〇は光が丘駅
(一財)日本地図センターが作成した「東京時層地図」を加工。


光が丘から先、鉄道の駅がありません。
周辺には、ぶどう農園やみかん農園が広がっています。のんびり気分。
いつか大江戸線が延伸すれば、風景も大きく変わるのかな。

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白子川に向かって歩いていくと、みどりに囲まれた美しい高低差が現れます。
「稲荷山憩いの森」です。
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稲荷山憩いの森は赤の〇のあたり。
白子川が刻んだ崖線がくっきり。
(一財)日本地図センターが作成した「東京時層地図」を加工。

崖を降りて行きます↓
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白子川の崖線に残る森林は、生きものたちの宝庫。
残されたみどりの中で、生き生き輝いています。


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森の中、崖線の下に、湧水を発見!
冷たくて無色透明。一瞬、23区内にいることを忘れそう。


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宅地化が進んでも、自然は脈々と都市の中を生きている。
森の崖の途中から望むと、白子川をはさんで盛り上がる、対岸の崖線の高低差もくっきり見えました。

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2 清水山憩いの森公園―カタクリに思いを馳せる―

稲荷山憩いの森のすぐお隣、「清水山憩いの森公園」。
この森も、白子川崖線にへばりつくように残されたみどりです。
清水山の名のとおり、ここにも湧水があります。

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公園の一部は、カタクリ自生地として閉鎖管理されています。
カタクリって、自然豊かな地域に生育するイメージでしたが…

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ここにカタクリが生きているのは、都市化の前から命をつないできていたから。
生きものたちは、過去のまちの姿を教えてくれます。
残されたみどりが、小さな命を後世に伝える役割を果たしています。

このご時世、身近な場所に自然を求める人が増えました。
命の営みを慈しむ、余裕と思いやりを心に。
人間も、命のつながりの中で生きているのだから。
静かな森の中で、思いを新たにしました。


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3 八坂神社の高低差に悶える

さて、稲荷山憩いの森・清水山憩いの森から白子川を越え、大泉町方面に歩いていきます。
白子川の流れは、清冽。周辺の湧水を集めているからでしょう。

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白子川を越えてしばらく歩き、現れたのは、八坂神社。
稲荷山憩いの森から見えた、対岸の崖線に位置します。
きつい坂を上る途中に、富士塚がもりもり。


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裏山に登って遊ぼうぜ!
おばあちゃんちに帰省した夏休みのような雰囲気。。

高低差を登り切ると、ひろ~い畑と住宅が点在する光景が現れました。

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稲荷山憩いの森の対岸の崖線を登り切りました。
これからこの赤丸のあたりを歩きます。
(一財)日本地図センターが作成した「東京時層地図」を加工。

4 中里郷土の森―農村の歴史と生きものたちを感じる―

畑の中にこんもりとした緑。「中里郷土の森」を訪れました。
屋敷林の風景を保存しながら、地域の歴史と生きものたちについて、発信している施設です。

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明治の終わりのこのあたりの地図。農家が点在している様子がわかる。
屋敷林に囲まれた、大きなおうちだったのかなあ。
(一財)日本地図センターが作成した「東京時層地図」を加工。

生きものクイズなど、楽しめるしかけがたくさん!
白子川のお魚もいます。

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子どもたちとお母さんが、虫取り網片手に一生懸命生きもの探し。
さいころから自然や生きものに触れて育つっていいな。


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のんびりゆったりした雰囲気で、どこか懐かしい雰囲気。
誰もいない静かな森と湧水。生きものたちの息吹。

大事なものってなんだっけ。
この世界、なんだか不安が多いけど、私が私になれる場所。
生きてる私になれる場所。

みんなが知らない秘密の癒しスポット。
白子川崖線で、心を洗いましょ。