蓄積ヒストリー

内向型女子32歳。東京で、もがいて痛みながら作り出す、余白のある人生。

上野・博物館動物園駅へ 一般公開と、京成本線の暗闇に浮かび上がる物語

 

東京の京成上野駅と、千葉の成田空港をつなぐ、京成本線

上野の東京博物館のすみっこに、廃駅があるのをご存知ですか?

その名も、博物館動物園駅。

営業は、1933年から1997年まで。

小さな駅舎は、帝都復興時代のモダンな美しさを湛えて、今もたたずんでいます。

 


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2020年2月。

普段は入れない博物館動物園駅が一般公開されました。


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切符売り場へ向かう階段は、まるで異世界の入口のよう……

打ちっぱなしコンクリートと、窓が醸し出す1933年感。


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切符をここで買ってだな。


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お手洗いに行ってだな。


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嗚呼、あの木の改札を通って、ホームに向かえた人たちがうらやましい…

(公開は、ホームに降りる階段の手前までです。)

 

ちなみに、駅構内に入れる一般公開は本日まで。

 

「え~、私も博物館動物園駅見たかった~…」

ふっふっふ、そんなあなたにひとつ、裏技をお教えしましょう。

(私も教えてもらって初めて知り、ここ数か月で一二を争う興奮でした。。)

 

京成上野駅から日暮里へ、一駅京成本線に乗ってください。

地下を走る真っ黒な車窓に目をこらして…

きますよきますよ、わりとすぐですよ…!

 

ふわっと、ほの暗く、浮かび上がるは博物館動物園駅のホーム。

柱やベンチ、黄色い壁のタイル。壁画もあったかな…?

営業を停止した23年前で時が止まったまま。

1933年から刻まれた、90年近い時の重みもあふれ出て…

胸にしまったまま美化された思い出が、一瞬だけ、顔をのぞかせたような切なさ。

 

表面だけ見ていたら気付けないけれど、

ぼーっと流されていたら、見つけられないけれど、

たしかにそこにある、物語。

見えないもの、埋もれゆくものに目を注ぐ、心の豊かさ。

 

効率、スピード、結果……

ほんとに大切なものって、なんだっけ?

廃駅のホームは、電車に乗ると一瞬で通過してしまいます。

 

「そこのあなた、ちょっと立ち止まってみませんか?」

 

見つけることができた人だけに、ホームが語りかけてくれるような。。

ぜひ、ご自身の目と心で確かめてみてください。


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次の一般公開はいつなんだろう。博物館動物園駅、また会いたいな。