前回の記事、外部からの刺激とうまく付き合う方法vol.1はこちら。
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内向型の私が特に苦手とする刺激と、刺激を受けたときの体の状態をご紹介しました。
これから2回にわたって、内向型が外部からの刺激とうまく付き合う方法を紹介します。
今回は、刺激を「避ける」をテーマに。
次回は、刺激に「立ち向かう」をテーマに。
いやはや、我ながら不器用な生き方だなあと思いますが、しばしお付き合いくださいませ。
1 避けられる刺激は避けていい
まず、大きな声で伝えたいことを。
「自分を守ることが最優先!!」
「避けられる刺激は避けていいんだよ!!」
私は、自分が内向型だと知るまで、外部からの刺激をすべてまともに受け止め、真正面から対処しようとしていました。なぜか?
・長年身につけてきた「何事もまじめにやる」というクセ
・自分は人よりも情報の処理が遅いから頑張って周りに合わせなければという思い。
無意識に、内向型で刺激に弱い自分を自己否定していました。無理やり外の世界に合わせようとしていたのですね。
でも、明らかにキャパオーバー。酸欠の魚のように苦しかった。
このあたりの詳細は、「感情に蓋をしてきた内向型人間が自分を受け入れられるようになるまで」シリーズに詳しく書いています。
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自分の心が悲鳴を上げているなら、その声を聴いてあげるべきです。
たとえ周りが、「このぐらいできて当たり前」と言っていたとしても。
内向型は、心に余裕をもってはじめて、外の世界に関わる意欲と勇気が持てます。
内向型は、自分の限りあるエネルギーを最も大切にしなければならないと、今は強く思います。
ここからは、私が意識的に避けるようにした刺激を紹介します。
2 仕事編
(1) 刺激が多い部署を避ける
まずは、自分を刺激が多い部署に配属しないように、職場の人事担当に要望しましょう。意外と、これをやっていない人が多いのではないでしょうか。
「そんな自分勝手なこと要望していいの!?」って、思われるかもしれませんね。
でも、要望せずに刺激の強い部署にいたら、毎日毎日、貴重なエネルギーを奪い取られて、本来の力を発揮できなくなってしまいます。また、内向型の力を生かせないのは、職場にとっても損失です。
私は、今年の4月に職場が大きく変わったのですが、そのときは次のような要望をしました。
・自分は外部からの刺激に弱い。電話対応や外部折衝がメインの部署だと精神的な消耗が激しい。
・残業は月20時間が限度である。
・黙々とこなす作業と文章を書くことが比較的得意なので、生かせる部署がよい。
人事の方は考慮してくれて、お客さんがひっきりなしに来る部署への配属は避けてくれました。まあ、それでも外部内部の調整業務が多く、かなりきついことはきついのですが…
(2) 日常業務で刺激を避ける
ア 電話を避ける
「社会人たるもの、電話はワンコール以内で出なければならない!」
叩き込まれてきた社会の常識。電話が鳴れば、すぐに体が反応して受話器に手が伸びます。
でも、内向型は、作業の中断がかなり苦手です。深い思考に沈みながら集中して作業を進めるので、一度中断が入るともとの状態に戻るのに時間がかかるのです。さらに、中断が入れば、ただでさえ自分のペースが乱れるのに、電話の内容によっては余計な仕事が増えてまたエネルギーを奪われます。
そこで私は、電話取り競争には参加しないことにしました。職場の同僚にはやけに電話を取るのが速い人が何人かいます。その人たちは電話による作業の中断が苦ではないから、電話を速くとっているわけで、だったらその人たちにお任せすればいいのです。
(最初は良心が痛みましたが、今は大丈夫です)
こうすることで、自分宛の電話のみに対応すればよくなり、多少は刺激の量を減らすことができました。
イ 騒がしい空間を避ける
職場は、常に人の声や電話が鳴る音がしています。私は、あわただしい雰囲気の中にいるだけで気持ちが焦って、消耗してしまいます。だったら、その雰囲気の中にいる時間を減らせばいい。
私の職場には、出勤時間をずらせる制度があり、私はほかの人より1時間早く出勤しています。 こうすれば、脳みそがもっとも冴えわたる朝に、人がいない静かな環境で仕事ができます。内向型にとって、もっとも理想的な状態です。
定時も人より1時間早いので、生産性がガクッと落ちる夕方以降に仕事する時間も少なくできます。
最近はテレワークも推奨されているので、月1回在宅勤務もしています!
ウ 残業を避ける
これが最も実践が難しく苦労しているのですが…
残業は内向型にとって脅威です。定時までにかなり消耗しているのに、その状態でまだ働くのはかなり効率が悪い。夕方の3時間は、たぶん朝の1時間程度しか集中力がありません。
そこで、残業マイルールを決めました。
月曜日と金曜日は残業をしない。ほかの曜日の残業も2時間まで。
…でも仕事が終わらないことも多くてなかなかできないんだよなあ…
朝もっと早くいけばいいのかなあ…
こちらはまだまだ模索中です…
3 日常生活編
(1)苦手な家事を避ける
私は料理が苦手です。複数のことを同時にやるだけでつらいのに、手先が不器用なので野菜を切っていると悲しくなってきます…w
料理をするだけで、精神力をかなり消耗してしまうのです。
かといって、食べないわけにもいかず、すべて外食だと食費がかさむ…
そこで、こんな本を買ってみました。
この本は簡単にできる作り置きと、帰って10分で作れる料理を紹介しており、私は特に作り置きメニューに大変お世話になっています。
メインの材料は1品のみ、作業は煮るだけ又はレンチンだけ。そんな料理を土日に3品。少し多めに作り、冷凍しておきます。
3品なら、1時間あれば作って食器洗浄までできます。週1日1時間なら、なんとか許容範囲内。平日はそれを解凍して食べるだけ。
まあ毎日同じ料理になっちゃうときもあるけど、幸い一人暮らしなので自分がよければそれでよい。たまにおいしい外食すればそれでよい。そして、何よりも余計なエネルギーの消耗を防げるのでうれしい。
…てこれ結婚とか子育てできるのかわたしw
まあでも、苦手な家事のひとつやふたつ、自分のために簡単にしたっていいじゃない。
ちなみに無心でできる掃除と洗濯は苦にならないので、気分転換にやってます。笑
(2) 夜に電子機器の画面を避ける
よく言われていることですが、睡眠前にスマホの画面、パソコンの画面を見ると脳みそに刺激が供給されて寝つきが悪くなります。
21時以降はスマホを機内モードに、平日夜はパソコン作業をしない。
こんなマイルールを作りました。
メッセージの返信や情報のチェックは朝にまとめて。これだけでも心に余裕をもって夜の時間を過ごせるようになりました。
(3)土日のうち1日はお出かけを避ける
土日は、平日に受けた刺激を処理する大切な時間です。
1日は、友人と会っておしゃべりしたり、ちょっと遠くへ出かけたり。もやもやを発散して、大変リフレッシュになります。
でも、これが2日連続になってしまうと、逆に刺激になってしまう。1日は、家や図書館など、静かな場所でゆっくりと過ごし、精神力を回復させます。
4 避けることは逃げじゃない
内向型が毎日を豊かに生きるには、心の余裕を確保することがなによりも大事で
す。
そのためには、自分の刺激に対するキャパシティをよく理解して、受ける刺激の量を調整していかなければなりません。
苦手なものに立ち向かわず避ける、というとどうしてもネガティブなイメージが付きまといます。
特に、今回紹介した刺激を避ける方法「仕事編」については、賛否両論あるかもしれません。甘えとか言われちゃうんだろうね…。
でも、内向型は、世の中の常識にとらわれず、自分の心の余裕を最優先にしたほうが、きっと幸せになれます。
必要以上に自分を消耗させるものを避けるのは、決して逃げではなく、賢明さなのではないでしょうか。
私も、職場で心地よく生きる方法についてはまだまだ模索中です。
この間も5時間ほど残業して急きょ書類を作成せねばならず…つらかった。。
焦ってる感覚とか、生産性皆無の脳みそを無理に動かしてるつらさとか、ふとした瞬間にフラッシュバックして心を蝕んできます…
本当に刺激の処理に時間がかかる…
職場にいると、自分ではコントロールできない猛烈な刺激が突然やってくることが多いです。
もしかしたら、内向型は、職場では根本的には幸せになれないのかもしれない…そんなことも思ったり。
今回の記事では、「避ける」をメインに、刺激対処法を紹介しました。
次回は、外部からの刺激とうまく付き合う方法vol.3として、内向型人間が刺激に「立ち向かう」方法を紹介したいと思います。
つづく
※コラム それでも刺激過多になってしまったら
私はこれまで紹介した方法で、なんとか日々受ける刺激を減らす努力をしています。
でも、特に仕事をしているときは、刺激過多になってしまうことがほとんどです。
急な横入業務とか、緊急事態とか、打合せの前後とか、上司に怒られた後とか。
刺激過多になったときは、とにかく圧倒されてしまいます。
そんなときはどうすればいいでしょうか。
(1) 刺激過多になっている自分を認める
まずは、自分が刺激過多になっていることに気づくことです。
刺激過多状態に身を任せていると、本当に何もできません。又は、焦って間違った行動を取ってしまいます。
「あ、今刺激過多になってる!!」
「今、自分はかなり生産性の低い状態になってる!」
まずは、自覚すること。
とはいうものの、私もまだうまく自覚できないことが多く、とにかく焦ってしまいます。。
刺激過多になる→その状態に気づく、が自分の中でセットになるように、努力したいと思います…
(2) 席を立ち、ひとりになれる空間へ行く
私は、だいたい職場のデスクに座ってるときに刺激過多になります。でも、デスクは周りの雰囲気もあわただしいし、最悪の場合、刺激過多になってるときにほかの人に話しかけられたりして、余計にわけがわからなくなります。
まずは、その場を離れて一人になること。これが大切。
私の職場には、トイレの裏に景色がきれいに見える小さいスペースがあるので、そこに行きます。
(3) 自分のつらい気持ちを認める
そして深呼吸。
「今、私は刺激過多だ。この状態は自分にとって一番つらい状態だ。つらくて当然。
何もできなくて当然。苦しいよね。つらいよね。でもきっと大丈夫だよ」
自分に語りかけます。自分の心の状態をわかるのは自分しかいない。だから、自分がいちばんやさしく自分に接してあげるのです。
でもこれ、刺激に飲みこまれているときはできないんですよね。つい、自分を責めてしまいがち。
だから、(1)で刺激過多の状態に気づくことが一番大切なんです。。
(4) 対処法を考える
少し落ち着いてきたら、対処法を考えます。これも一人になれる場所で行うのがベスト。手順は3通り。
・自分が何を不安に思って刺激過多になっているのか?紙に書き出す。
紙に書くことで客観視できます。
・緊急性を考える
焦っているときは気づかなくても、問題を解決すべき期限までまだ時間があることもあります。
・対応を考える
緊急性の高いものは、焦って自己判断で行動する前に周辺の人に相談をします。
そんなに緊急性が高くないものは、思い切って一度忘れます。翌日の朝、スッキリした頭で対処方法を考えると、すんなりと自己解決してしまうこともあります。
ま、それが簡単にできたら苦労はしないんですけどね…