蓄積ヒストリー

内向型女子32歳。東京で、もがいて痛みながら作り出す、余白のある人生。

内向型の私が、組織で働き続ける理由―内向型の働き方・実は組織が向いてるかも?―

4月。
大組織に所属する私は、超・多忙&刺激過剰な職場に異動となりました。
適性に合わない環境の中、必死に働いていましたが…
限界を迎え、適応障害で病気休暇を取得しました。

chikuseki-history.hatenablog.com


どんなに努力しても、能力を活かせない環境で働き続けるのは困難です。
限界を認め、自分の適性について上司に説明し、異動することができました。

組織で評価されやすいのは、
明るくテキパキと、積極的に周囲とコミュニケーションを取れる人。
長時間でもがむしゃらに働ける人。

やはり、うまく立ち回れる外向型が有利です。内向型を活かせる環境に出会うのはなかなか難しい…

内向型には、組織に属さない働き方が向いているとも言われています。自分に合った環境を、自ら作り出せるからです。
組織から出る働き方を提案している書籍も多くあります。


私も、自分が内向型と知った後、
「組織で働き続けて幸せだろうか…?」と
長いこと悩んでいました。

私の職場では、副業は原則禁止。
組織以外での働き方を試すこともできません。

でも、内向型を活かして働きたいと葛藤し、
適応障害も経験し、
その結果、やはり、組織で働き続けたいと考えるようになりました。
組織で働き続けたほうが、自分らしくいられるとも考えています。

今回は、内向型の私が、組織で働き続ける理由について、書いてみたいと思います。
組織で働き続けるか?
それとも、自分で仕事を作り出すか?
悩んでいる人が、自分らしい道を見つける参考になれば幸いです。

 

【前提】私の内向型タイプについて

内向型といっても、様々なタイプがいます。
私は、とにかく思考が深く、長いタイプ。
心にいつも大量の思考や言葉が溢れ、整理するのに時間がかかります。

今回、改めて自分と向き合い、私が組織で働き続ける理由は、すべてこの特性ゆえとわかりました。


私はかなり大きな組織で、正規職員として働いています。また、今の組織は、比較的関心に合った仕事をできる場所です。

内向型のタイプ、組織の大きさや状況によっても、感じることは異なると思います。
あくまで参考にお読みください。

組織で働く理由①―経験と出会いが勝手に降ってくる―

組織に属さないメリット。
それは、自分に合った働き方を作れること。
鳴り響く電話や、上層部からの理不尽な要求からも解放されます。

ただ、組織で働かない場合、仕事を自分で生み出す必要があります(当然ですが)。
経験や出会いを得るためには、自ら動かなければなりません。


実は、私にとって、「自ら動く」ことのハードルが非常に高いのです。
内向型の皆さんは、即興で行動するのはあまり得意ではないと思います。

仕事は、人生において重要な要素。なおさら、しっかり考えてから取り組みたい。
思考が深い私は、行動前に考える内容が人一倍多くなります。

事前調査したり、シミュレーションしたり。
SNSを駆使して、見知らぬ人とコミュニケーションを取るなんて、えらいこっちゃ…
「自ら動く」ために、事前の思考でかなり消耗してしまうのです。


一方、私の働く組織は、早ければ1年、遅くても4年で異動があります。
異動と言えども、もはや転職レベルです。

異動先では、様々な経験と人に出会えます。
多様な仲間と、多様な仕事をする中で、視野が広がります。


もちろん、職場環境が合わず適応障害になったり、パワハラ上司に当たったり。
心地よい出会いばかりではありません。

でも、痛い経験をすれば、人間として厚みが増します。
周囲に助けを求め、人の温かさを知ることができます。
合わない人を反面教師にすれば、自分の生き方も見つめ直せます。

今後同じ経験をしたとき、どうすればよいか、人生の地図が手に入るのです。

組織に属さず、自分の力で手に入れる経験や出会いも、素晴らしいのでしょう。
でも、動く前に考えすぎて消耗しては、元も子もなく…。思考が煮詰まり、行動が小さくまとまるおそれもあります。

痛い経験も、組織が勝手に与えてくれる。
価値観の合わない人との出会いも、勝手に降ってくる。
もちろん、楽しい経験も、素晴らしい出会いも、組織は同じくらい与えてくれます。
ついでに、安定した給料までくれるんですよ。

内向型の貴重なエネルギーを節約しながら、様々な経験を積める。
どんな経験に出会うか、コントロールできないからこそ、未知の世界にワクワクできる。

好奇心旺盛で、思考が深くて長い私には、組織で働くほうが向いているようです。

組織で働く理由②―自由過ぎない&思考の切替えが楽―

組織で働かないメリットとして、「自由の多さ」も挙げられますよね。
いつ休んでも、何時間働いても自由。
どこで仕事しても自由。
素晴らしいことです。

ただ…私には向いていません。
必要以上の自由を与えられると、頭がフリーズする傾向があるからです。
選択肢の量に脳が圧倒され、「どれを選ぶべきか?」、思考が溢れてしまうんです。


組織では、勤務時間が決められています。
早起きし、ダラダラせず、始業までに準備を整えられます。
明日のため、夜更かしせずに眠れます。

朝目覚め、日中活動し、夜眠る。
一定の強制力を持って日々が繰り返されるので、自然な生活リズムが身に付きます。
さらに、勤務時間という「枠」があるからこそ、枠以外の時間をどう過ごすか、考えやすいのです。

毎日、「今日はどう過ごそう?」と考えるだけでも、膨大なエネルギーを使います。
余計な思考を節約できるのは、組織で働く大きなメリットです。

さらに、私にとって、重要なポイントがもうひとつ。
組織で働くと、「思考の切替え」が楽なのです。

終業してオフィスを出れば、仕事はまあ、忘れられます。
土日祝日は完全休暇。
オンとオフがわかりやすい仕組みになっていますよね。

始業前の時間も重要です。
私は始業を10時にして、ブログは始業前に書いています。10時まで、という締切があるからこそ、短期集中で、毎日少しずつ記事を書くことができます。

もし時間の拘束がなかったら…
深い思考から帰ってこれず、いつまでもダラダラ文章を書いてしまう気がします。
集中しすぎて疲れ、弊害も出てきそうです。

組織が作り出す、「強制的な思考切替システム」。
思考が深い私は、大変助けられています。

「自由すぎない」&「思考の切り替えが楽」
この2点のおいて、私には組織が向いているのです。

組織で働く理由③―無になれる―

組織では、原則、仕事はどんどん降ってきます。自分で何かを生み出す必要は、あまりありません。
ときには、全く興味がない仕事を、淡々と処理しなければいけないことも。

でも、「目の前のことをこなす」って、案外楽です。仕事に追われていれば時間が過ぎるので、深く考えなくていいんですよね。

思考が深く長い私は、生きるだけで考えることばかり。やりたいことも多くて、日々実現方法を考え、行動しています。
プライベートのほうが、勤務時間中より深く考えていますね^^;

だからこそ、仕事で「無」になることで、心がフラットになるんです。
プライベートでネガティブな思考に囚われても、仕事中は気をそらすことができます。

もし、仕事とやりたいことが一致していたら…
「ちゃんとやりたい」と思うからこそ、考えすぎてつらいだろうな。
まあ、これもバランスで、仕事に追われすぎると、心身の調子が悪くなるのですが…

組織で働く理由④―強力な命綱で精神的安定が得られる―

組織にいるからこそ、簡単に精神的安定が得られます。
納税など、小難しいことも、給料天引きで勝手にやってくれます。病気休暇や育児関係の福利厚生も充実しているから、安心です。

さらに組織は、小さな自分に、確かな役割と責任、社会とのつながりを与えてくれます。
しかも、上司のフォロー付き。

なんて、ありがたいんや…
組織での仕事は、厳しい社会を生き抜くための、強力な「命綱」です。

もちろん、組織に属さず、自分で命綱を作ることもできます。
でもそのためには、「自ら動く」ために、多量の思考とエネルギーが必要です。

私はその手間を省き、組織が作ってくれた命綱を使います。そのほうが、内向型の貴重なエネルギーを節約できるから。

余ったエネルギーと、組織が与えてくれる安定したお金を使って、自由に世界を味わったほうが、私にとって効率が良いんです。

私は、こんなイメージ図を描いています。f:id:newgnmn:20220902091335j:image

「組織での仕事」という頑丈な命綱をつけ、自由に世界を飛び回る


今の時代、何が起こるかわかりません。
組織にいながらも、自分と違う生き方をしている人と話し、様々な場所を訪れ、視野を広げることが大切だと考えています。

また、子育てや介護など、考えるべきことは今後も山ほど出てくるはず。

命綱に支えられているから、社会の荒波に飲まれることなく、自由に動ける。
人生のあらゆる局面に、しっかり向き合う精神的余裕もうまれる。
つまり、命を大切にできるのです。

自分らしく生きたい―組織で働くメリットを活用する―

結局、私が組織で働き続ける理由は、1つに収斂します。

「余計な思考をせずに済み、内向型の貴重なエネルギーを節約できる」
うむ、これに尽きるな…

もちろん、業務内容が興味関心に合っているから、無理なく続けられるのだとも思います。今属している組織には、大変感謝しています。

ただ、ここで問題が。
多くの内向型が悩むのには理由があって。

「エネルギーの節約なんてできないよ!組織にいいように使われて、合わない環境で働かされて、逆にエネルギー奪われてるよ!!」

そう思っている人も多いのではないでしょうか。

仕事に絡めとられ、組織の歯車となる人生…
自由を求めて、組織の外に出たくなるのもわかります…

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でも…
たとえ組織で働いていても、仕事は人生の一部でしかありません。
自らの意志をもって、働き方をデザインできるはずです。


内向型の働き方は、こんな視点で語られることが多かったと感じています。
・組織の歯車として、折り合いをつけてうまくやるか。
フリーランス転向も視野に入れ、副業などで自分に合った働き方を作るか。

でも、もう一つ、選択肢があるのではないでしょうか。

「組織に属するメリットを存分に活用しながらも、決して組織には埋もれない。仕事もそれ以外も大切にして、自分らしく生きる」

重要なのは、バランスです。
仕事で「無」になる時間も、個性を発揮する時間も。
心も、体も。自分が最も心地よいように。

組織にいながらも、自分に合った働き方を作り上げる。
私は、そんな道を選びたいと、強く思うようになりました。


次の記事では、組織に属しながらも、自分らしく生きる方法について、私なりの実現方法を書いていきます。

この生き方では、組織の歯車になれる人(多くの人)とは、違う道を選ぶことになります。
捨てねばならぬものもある。周りの目も気になるかもしれない。
ある意味、「あきらめ」も必要です。

だけど、「あきらめる」とは、自分の能力や適性が「明らかになる」ことでもあって。
あきらめることで、かけがえのない「自分らしさ」を得られるとしたら…
人と違ってもよいな、と思えるのではないでしょうか。

それでは、次の記事をお待ちください…


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