称名滝(しょうみょうたき)ってご存知ですか??
350メートル。
東京タワーより高い滝なのです。
落差日本一!
なのに、あまり知られていない気が…
黒部立山アルペンルートから一歩外れたところにあるので、マイナーなのかも!?
でも、アルペンルートまで行ったなら、称名滝はmust!自然のパワーをめいっぱい受け取ることができますよ。
称名滝へのアクセスと、滝の楽しみ方をご案内します
※筆者は前日室堂に宿泊し、宇奈月温泉まで移動する間に称名滝に立ち寄りました。
※2019年8月23日現在の情報です
1 気になる天気は…
前日の黒部ダムは強雨。深夜の室堂は暴風雨。
chikuseki-history.hatenablog.com
前日の雨の黒部ダムについてはこちら…
「今日も天気だめだべ」と半ば諦めていましたが…
朝、雨も風もおさまってる!!
なんか青空見えとる!!
晴れ女の底力を発揮できたのか??
山の天気は本当にわからないですね。
2 室堂から立山駅へ移動
朝8時ころから、室堂みくりが池周遊を1時間ほどゆったり散策。
9時20分の室堂発のバスで弥陀ヶ原へ。
9時35分に弥陀ヶ原に到着すると、9時45分から、富山県自然解説員無料ガイドがあるとのこと。
湿原の生きものや植物について、詳しく教えていただきました。
生き物と植物が支えあい、厳しい環境を生き抜いている。生態系は奇跡…
コヒョウモンというちょうちょらしい
10時50分に弥陀ヶ原を出て、美女平からはケーブルカーへ。
立山駅に着いたのが11時47分。順調です。
3 称名滝探勝バス
立山駅周辺のお店で腹ごしらえして、12時45分のバスで称名滝に出発。
バス停は駅の目の前。迷わず乗れました~
運賃片道500円(下車時に支払い)
4 称名滝バス停から歩く
立山駅から15分程度。
バス停「称名滝」に到着です。
でもね、すぐに滝があるわけじゃないの…
滝壺直下の「称名橋」まで、ゆるい登り坂なのですよ…
28歳が、暑い中てくてく歩いて25分くらいかかりました。称名滝は岩の影に隠れていて見えないのですが、音がだんだん近づいてきます。
舗装されているけど、登り坂なのでえっちらおっちら歩く。ハンノキ滝が見えます
5 称名滝おじちゃんとの出会い
旅に行くと、たいてい濃密キャラのおじちゃんかおばちゃんに出会います。
そして、いろいろと良くしていただきます。
今までの旅では…
@奈良県大神神社
飛鳥みやげとして蘇(古代のチーズのようなもの)をひたすら勧めてくるおじちゃん
@静岡県寸又峡温泉
大井川鉄道の効率的な乗り継ぎ方を教えてくれ、営業時間開始前の温泉にこっそり入れてくれたおじちゃん
@島根県石見銀山への道中
笑顔と感謝を忘れなければ、人生は前向きに変わると教えてくれた、元市議会議員のおばちゃん
などなど。
ぼーっとしてるから話しかけやすいのでしょうか…
まあ、ありがたいことです。
人との出会いも旅のたのしみ。
今回も、称名滝へ向かって歩いている途中、出会ってしまったのです。
「称名滝おじちゃん」に…!
おじちゃんは、一緒に歩きながら、滝のマニアックな楽しみ方を惜しみなく教えてくれる方でした。
滝壺直下の称名橋まであと少し。でも、暑くてバテバテ。
おや、道の脇から大量の水が湧き出ている!!
おじちゃん
「水に手を当てて5秒!そのあと首に手を当てて!!」
ううう、冷たすぎて5秒も持たない…!
でも、その手を首にあてれば、汗だくになった体に天然の冷気が行き渡り、体が冴える!!
立山の自然を、体で存分に味わえる、野性味あふれる涼み方。
さすがおじちゃん…
顔にあたる風がだんだん涼しさを帯びてきて、水しぶきが飛んでくるようになると、滝壺までもうすぐです。
6 称名橋に到着
ついに岩陰から現れる称名滝。
轟音。強く、冷たい風。しぶきを浴びる浴びる。
あつあつの体がさわやかに濡れて、気分さっぱり!
受け止めきれぬほどの滝のパワー。
昨日大雨が降ったため、雨量が多いときのみ現れる「ハンノキ滝」もばっちり見えました。
ハンノキ滝は落差500メートル。
称名滝より高いのですが、常に見られるわけではないので、落差日本一ではないそう。雪解け時期に現れることが多いらしく、おじちゃん曰く8月に見られるのはラッキーらしいです。やったね。
…しかし自分の生きている世界の小ささよ。
普段働いているオフィスビルとか、この滝たちより圧倒的に低いし。
その中でコセコセ悩んだり煮詰まったりして。小さいのう。
日本一の滝2本を前に、変な悟り方をしかけたとき、おじちゃんが一言。
「虹が見えるよ」
大量のしぶきと太陽の光が共演して小さな虹が!
普段がんばってれば、ちょっとした幸せに出会えるんだな~
7 滝見台園地へ
称名橋から、階段をすこし登ると…
水しぶきに濡れずに滝を眺められる滝見台園地(展望台)に到着します。
おじちゃん曰く
「称名橋から見る滝とは姿が変わって素晴らしい。だから、階段を登りきるまでは滝を見てはいけない。」
言いつけを守って階段を登り切り…
はい、ドン!
おお~~!!
確かに下から見たときよりも、滝の全体像がはっきり見える!
称名滝は、4段に分かれています。
1段目70m、2段目58m、3段目96m、4段目126m。
合わせて350mです。
滝見台園地からだと、4段に折れて落水している様子がよくわかります。
青い空を割って、そのまま落ちてくる滝の姿。
すべてを洗い流す力強さが溢れている。
でも、優しく包み込むような、癒しの力も感じます。
おじちゃんは、その後も紅葉時の滝の写真を見せてくれたり(絶景!)、記念写真を撮ってくれたり、本当によくしてくださいました。
おじちゃんありがとうございました!
称名橋と滝見台園地で十分に滝を鑑賞して、滞在時間は20分くらいでした。
8 立山駅へ戻る
来た道を戻ります。
帰りは下り坂をサクサク歩いて、14時05分のバスに乗車。14時20分には立山駅に戻ってきました。
そのまま、14時26分の特急に乗れたので、一路宇奈月温泉へ。特急があってラッキー♪
立山駅からプラス1時間半程度でたっぷり楽しめる称名滝。
前日は大雨で黒部ダムの放水を見られなくてショック…けれど、称名滝が無念をすべて洗い流してくれました。
素通りせずに、ぜひ立ち寄っていただきたい滝です。
落差日本一のパワーを、その身で堪能あれ…!