蓄積ヒストリー

内向型女子32歳。東京で、もがいて痛みながら作り出す、余白のある人生。

いざ、落差日本一の称名滝へ―行き方&楽しみ方―


称名滝(しょうみょうたき)ってご存知ですか??

富山県立山にある、落差350メートルの滝です。

 

350メートル。

東京タワーより高い滝なのです。

 

落差日本一!

 なのに、あまり知られていない気が…
黒部立山アルペンルートから一歩外れたところにあるので、マイナーなのかも!?

 

でも、アルペンルートまで行ったなら、称名滝はmust!自然のパワーをめいっぱい受け取ることができますよ。

 

称名滝へのアクセスと、滝の楽しみ方をご案内します

※筆者は前日室堂に宿泊し、宇奈月温泉まで移動する間に称名滝に立ち寄りました。
※2019年8月23日現在の情報です

 

 

1 気になる天気は…

前日の黒部ダムは強雨。深夜の室堂は暴風雨。

 

chikuseki-history.hatenablog.com

 前日の雨の黒部ダムについてはこちら…

 

「今日も天気だめだべ」と半ば諦めていましたが…

朝、雨も風もおさまってる!!
なんか青空見えとる!!

 


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晴れ女の底力を発揮できたのか??
山の天気は本当にわからないですね。

2 室堂から立山駅へ移動

 朝8時ころから、室堂みくりが池周遊を1時間ほどゆったり散策。
9時20分の室堂発のバスで弥陀ヶ原へ。
9時35分に弥陀ヶ原に到着すると、9時45分から、富山県自然解説員無料ガイドがあるとのこと。
湿原の生きものや植物について、詳しく教えていただきました。


生き物と植物が支えあい、厳しい環境を生き抜いている。生態系は奇跡… 
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コヒョウモンというちょうちょらしい

10時50分に弥陀ヶ原を出て、美女平からはケーブルカーへ。
立山駅に着いたのが11時47分。順調です。

3 称名滝探勝バス

立山駅周辺のお店で腹ごしらえして、12時45分のバスで称名滝に出発。
バス停は駅の目の前。迷わず乗れました~


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運賃片道500円(下車時に支払い)

4 称名滝バス停から歩く

立山駅から15分程度。
バス停「称名滝」に到着です。

でもね、すぐに滝があるわけじゃないの…
滝壺直下の「称名橋」まで、ゆるい登り坂なのですよ…
28歳が、暑い中てくてく歩いて25分くらいかかりました。称名滝は岩の影に隠れていて見えないのですが、音がだんだん近づいてきます。

 

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舗装されているけど、登り坂なのでえっちらおっちら歩く。ハンノキ滝が見えます

5 称名滝おじちゃんとの出会い 

旅に行くと、たいてい濃密キャラのおじちゃんかおばちゃんに出会います。
そして、いろいろと良くしていただきます。

 

今までの旅では…

奈良県大神神社
飛鳥みやげとして蘇(古代のチーズのようなもの)をひたすら勧めてくるおじちゃん

 

静岡県寸又峡温泉
大井川鉄道の効率的な乗り継ぎ方を教えてくれ、営業時間開始前の温泉にこっそり入れてくれたおじちゃん

 

島根県石見銀山への道中
笑顔と感謝を忘れなければ、人生は前向きに変わると教えてくれた、元市議会議員のおばちゃん

などなど。


ぼーっとしてるから話しかけやすいのでしょうか… 
まあ、ありがたいことです。
人との出会いも旅のたのしみ。

 
今回も、称名滝へ向かって歩いている途中、出会ってしまったのです。
称名滝おじちゃん」に…!

おじちゃんは、一緒に歩きながら、滝のマニアックな楽しみ方を惜しみなく教えてくれる方でした。

滝壺直下の称名橋まであと少し。でも、暑くてバテバテ。
おや、道の脇から大量の水が湧き出ている!!

 

おじちゃん

「水に手を当てて5秒!そのあと首に手を当てて!!」

ううう、冷たすぎて5秒も持たない…!
でも、その手を首にあてれば、汗だくになった体に天然の冷気が行き渡り、体が冴える!!
立山の自然を、体で存分に味わえる、野性味あふれる涼み方。
さすがおじちゃん…


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顔にあたる風がだんだん涼しさを帯びてきて、水しぶきが飛んでくるようになると、滝壺までもうすぐです。

6 称名橋に到着


ついに岩陰から現れる称名滝


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轟音。強く、冷たい風。しぶきを浴びる浴びる。

あつあつの体がさわやかに濡れて、気分さっぱり!
受け止めきれぬほどの滝のパワー。

昨日大雨が降ったため、雨量が多いときのみ現れる「ハンノキ滝」もばっちり見えました。
ハンノキ滝は落差500メートル。
称名滝より高いのですが、常に見られるわけではないので、落差日本一ではないそう。雪解け時期に現れることが多いらしく、おじちゃん曰く8月に見られるのはラッキーらしいです。やったね。

…しかし自分の生きている世界の小ささよ。
普段働いているオフィスビルとか、この滝たちより圧倒的に低いし。
その中でコセコセ悩んだり煮詰まったりして。小さいのう。


日本一の滝2本を前に、変な悟り方をしかけたとき、おじちゃんが一言。

「虹が見えるよ」

 


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大量のしぶきと太陽の光が共演して小さな虹が!
普段がんばってれば、ちょっとした幸せに出会えるんだな~


7 滝見台園地へ

称名橋から、階段をすこし登ると…
水しぶきに濡れずに滝を眺められる滝見台園地(展望台)に到着します。

 

おじちゃん曰く
「称名橋から見る滝とは姿が変わって素晴らしい。だから、階段を登りきるまでは滝を見てはいけない。」

言いつけを守って階段を登り切り…
はい、ドン!


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おお~~!!
確かに下から見たときよりも、滝の全体像がはっきり見える!

称名滝は、4段に分かれています。
1段目70m、2段目58m、3段目96m、4段目126m。
合わせて350mです。
滝見台園地からだと、4段に折れて落水している様子がよくわかります。

青い空を割って、そのまま落ちてくる滝の姿。
すべてを洗い流す力強さが溢れている。
でも、優しく包み込むような、癒しの力も感じます。

おじちゃんは、その後も紅葉時の滝の写真を見せてくれたり(絶景!)、記念写真を撮ってくれたり、本当によくしてくださいました。
おじちゃんありがとうございました!

称名橋と滝見台園地で十分に滝を鑑賞して、滞在時間は20分くらいでした。

8 立山駅へ戻る

来た道を戻ります。
帰りは下り坂をサクサク歩いて、14時05分のバスに乗車。14時20分には立山駅に戻ってきました。
そのまま、14時26分の特急に乗れたので、一路宇奈月温泉へ。特急があってラッキー♪

立山駅からプラス1時間半程度でたっぷり楽しめる称名滝
前日は大雨で黒部ダムの放水を見られなくてショック…けれど、称名滝が無念をすべて洗い流してくれました。

素通りせずに、ぜひ立ち寄っていただきたい滝です。
落差日本一のパワーを、その身で堪能あれ…!