蓄積ヒストリー

内向型女子32歳。東京で、もがいて痛みながら作り出す、余白のある人生。

頑張りたいのに頑張れない私とあなたへ―より良く生きたいから、ろうそくの火になる―

不器用でもいい。
自分を受け入れて生きたい。
ずっとそう思っていました。

内向型の私は、外部からの刺激に弱く、苦手なことも多いです。
だからこそ、自分を励ましながら一歩ずつ前へ進んできました。このブログにも、その過程をたくさん書いています。

(興味のある方は「内向型の生き方」カテゴリの記事をご覧ください)

おかげで、自分はこれでいいと思えるようになりました。
自分の存在を肯定できたのは、大きな進歩でした。

でも…

「向上心」が出てきてしまったのです。
「もっと、より良く生きたい」と。
向上心が自分を苦しめるという、新しい悩みが生まれました。


私が日々の生活で、頑張れなくて、もがいて苦しかったこと。
より良く生きるために本当に大切なことに、気づいた過程。
30代のこれからの生き方と、同じように悩む人の参考になればと思い、記していきます。

 

1 より良く生きたいのに空回り

30代。仕事も中堅となり、こなすだけの仕事から、相談を受けて判断する仕事も増えてきました。
だけど、私は判断に苦手意識があります。判断を間違えて取引先とトラブルになった経験から、「うまく判断できるようになりたい」という気持ちが強くなりました。
この気持ち自体は、向上心から来るものです。

だけど…

内向型の深く考えるクセも相まって、あらゆる可能性を考え、煮詰まるように。方向性を決めた後も、そこへ向かうプロセスを検討して煮詰まってしまいます.

「判断の仕事をできるようになりたい!」

その気持ちから、思考をこねくり回して考え続けてしまい、答えが出ないまま疲労困憊…
判断の目的を見失うことが多々ありました。
結局、自分は判断の仕事ができない…と落ち込む日々。


話は変わって日常生活。
栄養バランスの取れた料理を食べ、丁寧な暮らしをしたい。
これも向上心から来るものです。

だけど…

献立づくり、買い物、調理、鍋洗い、
頑張ろうとすればするほど、やることがたくさん。
あれこれ追われる日に限って、夫は今日は買い弁にしな~い?なんて言うもんだから

おいしい料理食べるだけのくせに~~!!!

つい夫にあたってしまい、家がギスギス…自己嫌悪…
家事の忙しさにエネルギーも消耗…

さらに、自分が置かれた環境や仕事に、不満を感じるようになりました。
もっと自然が多い場所に住んでいたら、ストレス発散できるのに。
もし副業ができたら、他の可能性を探ってみるのに。
夫が料理できたら、ひとりで全部やんなくていいのに。

できないこと、自分にないものに、目が向くようになったのです。
より良く生きたい。
それだけなのに、すさんでいく…

 

2 向上心は傲慢!?

いつからか、「向上こそ素晴らしい」という価値観が、刷り込まれていました。
学校教育に始まり、スポーツ、仕事。努力する人の姿は、いつも美しく取り上げられます。
立ち止まってはいけないと無意識に思っていました。

もっと社会の役に立ちたい。
もっと充実した日々を送りたい。
自分の命を、輝かせて生きたい。
時間は有限。時間は命。無駄にしてはいけない。

素晴らしい心がけです。

だけど…

より良く生きたいという気持ちは、ある意味「今」を否定することにつながります。

イメージはこんな感じ。
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なんだか傲慢に感じるし、負のオーラをまとっている…
いつも力んでいて、かなりエネルギーを消費する生き方だと思いませんか?
本人は、輝きたいと思っているのに。


そんな生活に疲れたとき、参考になったのは、夫の生き方でした。
夫は、いつも人に助けてもらっています。


さいころから食べられないものが多い夫。母はいつも工夫して食事を与えてくれたそうです。
初めて行った夫の部屋は、目も当てられないほどの汚部屋。
掃除方法を私が指導し、結婚。今は、新居に引っ越して綺麗な部屋で生活できています。笑
生活習慣も乱れていましたが、今や私の手料理により、栄養バランスを考えた食事を毎日取れている。
仕事でも、困ったとき、なぜか周りの人が親切に手を差し伸べてくれ、話を聞いてくれたそうです。

できないことが多いからこそ、たくさんの人に支えられ、愛されている。
なんか、放っておけないんですよね。
夫本人は、ありがとう~♪とニコニコしています。
アドバイスをもらったら、自分のできないことを認め、素直に受け取り、努力します。


夫の生き方は、こんな感じ。

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夫には、必要以上の向上心がないそうです。
できないことが多いから、素直に助けて~と言っている。
自分も、誰かが大変そうだったら助けている。
そして、趣味の鉄道を味わって、満足ならそれでよいと。笑
プライドや力みのない、軽やかな生き方。

 

3 「ひとり頑張りサイン」に気づき、身の丈を知る

ひとりで頑張っていると、誰かに寄りかかるという発想がわきません。

周りの人がみんな自分の邪魔をするように思えて、イライラ 
自分のできなさにもイライラ
まさに、この状態になってますね…


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頑張っているはずなのに、思考がグルグルして消耗しているとき
周囲や自分を責めているとき        
現状を否定する言葉が出てくるとき

これはひとり頑張りサイン。


この状態のときって、自分の「できないこと」に目を向けて、絶望的な気持ちになるけれど、単に頑張りすぎているだけなんです。
そのことになかなか気づけないから、苦しいけれど…


「サイン」が出ているとき。
それは、エネルギーを注ぐべき方向が違うということ。
サインに気づいたら一度客観的に状況を見る必要があります。


解決方法は、
「みんなのあったかい輪」の中に入ることです。

仕事で煮詰まったら、ひとりでグルグルする前に周囲に相談する。
周囲に相談しても突破口がなければ、ほかの視点を持っていそうな人に相談する。精神的につらいときは、専門機関やカウンセリングもいいですね。
悩んでいる内容自体が的外れだったり。解決すべき点が自分の思い込みとは違ったり。
何かしらの道が拓けます。


献立づくりと買い物が大変なら、ミールキットや冷凍食品の日があってもよい。
便利なシステムにたくさん頼ろう。
たまには夫に料理頼もう。(レトルトでもOK!)

できないから、たすけて~~~


できないから、できるように頑張るのではなくて、
「できない」自分の弱さを認める。
弱さを認めるというか、「身の丈を知る」って感じかな。

身の丈以上に背伸びすると、つま先立ちにエネルギーを奪われて、本来の自分のパワーを出せません。
踏み台を使えば高いところにも手が届くように、何かに頼れば、自分の身の丈のまま、「できる」ようになります。

仕事の判断、できないときがあってよい。
ていねいな暮らし、たまに雑になってよい。


より良い人生を送りたければ、身の丈を知り、できない部分はまわりにたっぷり頼ろう。

自分の身の丈では届かないなら、踏み台を使ってもいいし、梯子を使ってもいい。
誰かに肩車をしてもらってもいい。

頼れる人や手段がたくさんあれば、人は安定して立てる。
ひとりで立とうと思ったら、たくさんの支えが必要なんです。
たくさん頼れるって、実は強い。

もちろん、誰かが助けて~と言っていたら、自分も助ける。
みんなのあったかい輪の中で生きる。


できなかったり、失敗したりしたときこそ、支えてくれる人やサービスに頼り、世界の優しさを知るチャンス。
理想や完璧なんていらないやって気持ちになります。
もう、ひとりでもがかなくていいんだ。

 

4 より良く生きたいから、ろうそくの火になる

でも、誰かに頼るのって、ちょっと勇気がいりますよね。


忙しいんじゃないかな?
悩みを相談して、重たい気持ちにさせたら悪いな
言葉がまとまらないのに、話していいのかな
ひとりでできない自分が、恥ずかしいな

遠慮してしまうこともあると思います。

さらに、自分の弱さを認めないといけません。
「できないから、助けて~」は、
輝きたい自分を失望させる言葉かもしれない。
自分のふがいなさを、突きつけられるかもしれない。
でも、弱さを認められないと、頑張ることが美徳の世界では、つい頑張り続けてしまいます。結果、どんどん消耗していく。


そんなとき、「ろうそくの火」を思い出してみてください。
ろうそくの火は、とても小さな光です。
ひとつでは、周囲を明るくするパワーはありません。

自分のつらい気持ち、正直な思いを、周りの人に話してみます。
もし誰かが、勇気をもって自分のことを話してくれたら…
頼ってくれたら…
嬉しいし、ちゃんと向き合おうって思いますよね。
きっと、あなたの周りの人もそう。

周りの人に頼る。
それは、ろうそくの火を隣の人に移すこと。
光がふたつに増えるということ。

色んな人やサービスに、正直な心で頼れば頼るほど、光が広がっていきます。
それは、「信頼」や「友情」という光
人が人を思う、「愛」という光


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より良く生きたい!命を輝かせたい!
そう思っていた時、私は自身が美しく発光するイメージを持っていました。
でも、ひとりもがいて、苦しくなって、気づいた。

命が輝くとは、周りの人と一緒にぼんやり、あったかく光ること。
煌びやかなレーザービームではなくて、ろうそくの火になること。
私の火は、とても小さい。
風が吹けば消えてしまうくらい、弱い。

だからこそ、私は周りの人に頼って、信頼という火を分ける。
火を分け与えても、決して私の火は消えない。
優しい光が、広がっていく。
力まず、身の丈を知って、生きていく。
弱いからこそ、知ることができるあたたかさがあります。

向上心は大切だけど、つらかったら、どうか
「ひとり頑張りサイン」に気づいてね。

多分私も癖が抜けなくて、これからも頑張ってしまうだろうけど。
身の丈を知って、謙虚に生きる30代でありたいな。