私は2024年9月に出産し、現在育児休業中です。
産休に入った7月から数えると、もう1年2ヶ月。こんなに長く仕事を休んだのは初めてでした。
夫婦ともに育休を取り、二人三脚で育児をしてきましたが、9月から夫が職場復帰。
この節目に、育休期間の価値観の変化を振り返ってみたいと思います。
手放したもの、新たに大切にしたいと感じたものがたくさんあります。
今回は趣味編です。
1「外の世界」に幸せを求めていた過去
育児休業前の私の趣味は、主に旅とハロプロでした。
47都道府県をすべて制覇し、ハロプロのコンサートでは数々の名場面を目撃。
各地で味わった景色や文化、会場が一体になった瞬間は、今でも忘れられない思い出です。
当時の私は、日常を「とにかくこなすもの」と捉えていました。
仕事や家事をやっつけて、お金を貯めて、やっと訪れた休みに「外の世界」へ飛び出す。
非日常をがっつりと味わう。
それが私にとっての幸せでした。
でも、子どもが生まれ、自由に出かけることが難しくなったとき、私の意識は外の世界から、心の内側や足元のまちに向かうようになりました。
2幸せの見直し
(1)まちを愛する
今まで「つまらない日常の舞台」として重視していなかった自分のまち。
でも、少し意識を変えただけで、温かく優しい場所がたくさん見つかりました。
遠くに旅ばかりしていたときには気づけなかった、足元の幸せを紹介します。
コーヒーと喫茶店
近所にある4軒の喫茶店を、育児の合間にかわるがわる訪れるようになりました。
そのうちの1軒に置いてあったこの本を読んでから、コーヒーの奥深さを楽しむのが好きになりました。
酸味一つとっても、桃のような酸味なのか、レモンのような酸味なのか。
五感を使って味わい、自分の言葉で表現する—このプロセスが生活に彩りを与えてくれます。
各喫茶店で常連になったため、お店の人とちょっとお話したり、挨拶したりするのも、心が温まるひととき。
親や妻といった役割から解放され、ただひとりの人間として、存在しているような感じがして、自分を取り戻せる感覚になります。
夫の職場復帰後は、子どものお昼寝の隙に、ドリップコーヒーを楽しむのがささやかな幸せになりました。
早朝神社参拝
以前はストレスが溜まると、山や海へ1日出かけていましたが、今は家から徒歩3分の神社がお気に入りです。
早朝、夫と子どもが起きる前に家を出られたらラッキー!
朝日が鳥居から差し込む中、コオロギの鳴き声や鳥のさえずりを聞きながら祈る。
人間も生き物で、自然の一部。
おおいなるものに抱かれて生きているのだと実感します。
遠出をしなくても、身近な自然にこんなにも力をもらえる。
深く穏やかな気持ちになれることを、幸せに感じています。
(2)手間をかけることの喜びを味わう
以前は仕事が忙しく、時短や効率化でエネルギー消耗から自分を守っていました。
でも、外出が減り、家の中で楽しめることを見つけるうちに、あえて手間をかけるほうが心豊かに過ごせることもあると気づいたのです。
パン作り
無心になって生地をこねる時間。焼き上がる香りに包まれる瞬間。
そのプロセス全体が、かけがえのない時間になりました。
オーブンがなくてもトースターで十分においしいパンが焼けると知り、手軽に楽しめる趣味として定着しそうです。
発酵は時間がかかるけれど、作業自体は意外と短時間(1時間未満)なので、負担も少ないです。
こちらの本を参考にしています。
野菜選び
料理は得意ではありませんが、野菜選びだけは楽しんでいます。
少し良いものや旬の食材、環境に配慮されたものを選ぶ。
自分の価値観を大切にして野菜を選ぶだけで、喜びを感じられることを知りました。
季節ごとに変わる売り場の風景を楽しみ、珍しい野菜があったらワクワクしながら連れて帰ります。
忙しい時はなかなか難しい。
でも、少し余裕があるときだけでも、少し手間をかけてみたら、「生きている」実感が得られるのではないかと思います。
(3)ハロヲタとしての在り方を見直す
―推しは推せるときに推せ。
この言葉のもと、「とにかく現場へ行く」スタイルで楽しんでいましたが、これからは「ライトなハロヲタ」になることにしました。
育児に追われ、最新情報や彼女たちの若さについていけなくなった…笑
更新情報やMVのチェックは、PCを開いたときのみ。
本当に見たい公演のみ、配信で見る。
いちばんの推し、juice=juiceの段原瑠々ちゃんのバースデーイベントを最前列で見られたので「推せるときに推し切った」満足感もあります。
一途に夢を追いかけるハロメンの姿、ハロプロが歌い上げる強くしなやかな女性像は、これからも私の人生を支えてくれるはず。
自分にあったやり方で応援を続けていこうと思います。
3 エネルギーの振り分け方を考える―心地よいバランスを探して―
今まで、外の世界に振り向けていたエネルギー。
子どもの誕生を機に、自分の内側や足元の生活を丁寧に楽しむために使うようになりました。
「子どもがいると自由がなくなる」とよく言われますが、私にとっては静かで深い幸せを感じられる今のほうが、精神的には自由になったと感じます。
幸せのかたちが、内向型の私に合っているのかもしれません。
もちろん、外の世界を見るのが楽しい時期もあるでしょう。
私自身、ハロプロや旅行で得た体験は確実に人生を豊かにしてくれました。
外の世界を十分に見たからこそ、足元の幸せに気づけるようになったとも思います。
もし今、外の世界を見ることに全力投球している方がいたら、それはそれでとても意味があることだと思います。
でも、もしエネルギーを発散しすぎて少し疲れを感じているなら。
「こんなに動き回らなくてもいいかも」と思う瞬間があるなら。
一度立ち止まって、足元を見てみるのもいいかもしれません。
貴重なエネルギーを外と内に、どの程度振り分けるか。
手放すこと、大切にすることは何か。
考えてみると、新しい発見があるかもしれませんね。
外の世界の華やかさも魅力的。
でも、毎日の暮らしの中にも豊かさがある。
人生のフェーズに合わせて、そのバランスを取っていく—。
今の私は、もうすこし、足元の幸せをかみしめたいかな。
ささやかな楽しみを味わうことだって、立派な趣味。
これからも、自分の感覚に従って、しっくり感じる日々を過ごしていきたいです。





