蓄積ヒストリー

内向型女子32歳。東京で、もがいて痛みながら作り出す、余白のある人生。

人生に降る雨を受け入れる優しさ―I WISH(モーニング娘。)に寄せて―

じーんせーいってすばらしい~♪

 

20年前、2000年の秋。 私は、モーニング娘。の「I WISH」が大好きだった。

当時は小学三年生。テレビでは、加入したばかりのあいぼん加護ちゃん)があどけない笑顔で歌っている。

「そうだよな、人生ってすばらしいよな~」

無邪気に思っていた。

晴れ渡る秋空の下、I WISHを口ずさみながら小学校へ登校していたのを覚えている。

 


モーニング娘。 『I WISH』 (MV)

 

時は流れ、2020年。

私は28歳になったけれど、I WISHを聴き続けている。

今、心に刺さるのは、2番Bメロの歌詞だ。

 

「晴れの日があるからそのうち雨も降る 全ていつか納得できるさ」

 

人生は素晴らしい?

年を取り、それだけでは済まされないことを知った。

世界にはどうしようもない悲しみがあること。理不尽で、不公平な出来事がたくさんあること。まだちっぽけな人生経験しかないけれど、気が付いてしまった。

 

「やまない雨はない」「雨は必ずあがる」

そんな風に歌う曲は多い。でも、どう頑張っても動けないときや、自分を責めてどうしようもないときもある。

雨のただ中にいるときに、雨はいつかあがるといわれても、信じられない。雨に打たれている今を、否定されているように感じてしまう。

 

だけど私は、この瞬間を、確かに生きている。

雨が降るのは、晴れの日があるからなんだ。そう思えたら、人生に降る雨も、意味があるものに感じられる。

 

晴れの日だけだったら、人生の景色は味気ない。

雨が降ることに納得し、雨の冷たさや痛みを受け入れた上で、「人生ってすばらしい」と歌い上げるI WISH。

「夢中で笑ったり、泣いたり」しながら、すばらしい「誰かとめぐり会う道となれ!」

決して楽しいだけではない人生を、大きく肯定してくれる音楽だ。

 

つんくさんからの優しいメッセージは、20年の時を超えて、今の娘。たちが歌い継いでいる。

波乱万丈の末、ようやく幸せを手に入れたあいぼんの人生にも歌詞が染み渡る…

 

不確実な世界で、弱さを抱えながら、雑草のように生きる心を応援してくれる。自分の人生と娘。の歴史が重なっていく。

これだから娘。は尊く、ヲタクをやめられない。←

 

私の人生にも、これから何度も雨が降るだろう。 雨を受け入れ、そのぶん優しくなって、生きていこう。

今は、出勤しながら毎朝イヤホンで聴くI WISH。

これからもずっと、私の人生のテーマソングだ。

モーニング娘。,22 バージョン。
時を超えて、歌い継がれる、人生に降る雨を受け入れる優しさ。

www.youtube.com

 

つんくさんで雨の曲といえば、もう1曲。

「雨の降らない星では愛せないだろう?」

雨が降るから、悲しみがあるから、愛し合える。

20年以上たすきをつないできた娘。たちが、魂こめてこの曲を歌う最強さよ。


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これだからヲタクはやめられない(二度目)