蓄積ヒストリー

内向型女子32歳。東京で、もがいて痛みながら作り出す、余白のある人生。

大切な人を失うのが怖いんです―大切な人を大切にして、「今」を生きるには?―

もし、大切な人の身に何かあったら…

ニュースから流れてくるのは、病気や事故の話ばかり。
ふいに襲ってくる地震
続く異常気象。

不安が増幅して、大切な人を失う想像をしてしまうことがあります。
絶対に嫌なはずなのに、起こりうるシチュエーションを事細かに考えたり。
連絡を受けて、呆然と悲しみにくれる自分を想像したり。
大切な人と別れるとき、これが最後になるかも、と思ったり。

日常は一瞬で奪われる。
いま、身に染みて感じているからこそ、余計に不安が強まっています。
特に、幸せな時間や、嬉しい出来事のあと。
まるでハッピーな気持ちを打ち消すかのように、不安と恐怖がやってきます。

私だけなのかな?みんなそうなのかな?
不安と恐怖の取扱い方がわからず、悶々とした日々を過ごしていました。

でも最近は、ちょっとした心がけで、少しずつ平穏に過ごせるようになりました。
同じような怖さに、悩んでいる人がいるかもしれないので…
「大切な人を失う怖さ」に怯える心を、落ち着かせる方法を書いていきます。

 

1 「大切な人を失う」想像をするのはなぜ?

内向型の私は、外部からの刺激に弱く、精神的に消耗しやすい特性を持っています。
特に、不安の感情が大の苦手。
不安にとらわれると、頭がフリーズし、のどがカラカラ。刺激過剰で動けなくなります。

「不安を打ち消さなくちゃ」
不安が苦手だからこそ、仕事においては不安に立ち向かい、小さな行動を起こすことで解決してきました。

内向型とは何か?と仕事中の不安については、これらの記事に詳しく書いています

chikuseki-history.hatenablog.com

chikuseki-history.hatenablog.com

 
でも、「大切な人を失うかも」という不安は、行動で消えるものではありません。
不安が消えないなら、どうするか。

私は、「大切な人を失う」悲しみに、備えるようになりました。
「大切な人を失う」想定をあらかじめ用意することで、本当にその場面に直面したときのショックを、少しでも減らそうとするのです。
不意打ちの悲しみを減らし、自分を守ろうとしているのですね。

内向型の強み、「考える力」が、ここでは裏目に出てしまいました。
何パターンも、具体的な想定を考えて、恐怖が増幅してしまったのです。

2 大切な人は、今、生きている

悲しみに備える時間は、明らかに「不快」な時間でした。
だんだん心がすり減り、「なにやってるんだろう…」という気持ちになりました。

私は気がつきました。
悲しみに備えているこの時間、大切な人は生きている。
…もし、大切な人を本当に失ったら。
「もう一度あの人に会えるなら、他に何もいらない」
そう思うだろう。

今、大切な人と話すことができる。
一緒に、時間を過ごすことができる。
触れることができる。

私は、見えない不安や悲しみから自分を守ろうとして、かけがえのない「今」を浪費している。
これって、最も後悔するのではないか?

それでも、このご時世。日々ふとした瞬間に、
「大切な人の身になにかあったら…」
不安が生まれてしまいます。

不安になるのは、自然な心の動き。仕方ない。
不安は受け入れた上で、「今」を何より大切にするよう、心掛けるようになりました。

3 「今」を大切にするために

(1)不安を感謝に置き換える

「失いたくない」と強く願うほど、自分にとって大切な人。
不安が生まれたら、そんな人に出会えたことに、感謝します。
その人がしてくれたこと、大切な思い出、これから一緒にやりたいこと。
思い起こして、「ありがとう、ありがとう」と唱えます。
その人が喜ぶことを考えて、リストアップ。
できることから行動してみます。

(2)正直な気持ちでぶつかる

「今」なら、大切な人とコミュニケーションを取ることができます。

感謝。
好き、幸せ、という気持ち。
ちょっとしたもやもや。
健康でいてほしいという願い。
失うのが怖いという気持ち。

大切な人のことを思うと、心にさまざまな感情が湧いてきます。
感情ひとつひとつに、丁寧に向き合ってみる。
少し勇気がいることでも、正直な気持ちをぶつけてみる。

すると、「今」、一緒にいてくれる大切な人からも、正直な気持ちが返ってきます。
相手と深くつながることができて、幸せ2倍。
正直な気持ちをぶつけるのは怖いです。でも、その気持ちを伝えられるのは「今」だけだから。
相手との時間を大事にしたいと思えば、勇気を出せます。

失う不安に囚われると、自分の正直な気持ちをないがしろにしがち。
不安に囚われる労力を、自分と相手の心に向き合うために使う。
今この瞬間を、大切にすることができます。

(3)不安を減らす工夫をする

物理的に不安を減らす工夫も、効果がありました。

私は、特に災害に対する恐怖が大きいです。
防災グッズ見直し、災害時の連絡手段を決めるなど、備えられることはやってみました。
何もしないより、少しでも、安心感を得ることができました。

また、私はニュースを見ると不安が増幅する傾向があります。
SNSはすべて通知OFF。必要時以外見ない。
次々と関連情報が表示されるネットでは、ニュースは見ない。
新聞か、出勤前のみTVで見る。


受け取る情報にメリハリをつけることは、刺激に弱い内向型の私には大切なこと。
心の平穏が保てるように工夫しています。

4 それでも、大切な人と生きていく

これまで、たくさんの大切な人に支えられて生きてきました。

結婚したり、子どもを持ったり。
これから、大切な人がもっと増えていくかもしれない。
そのぶん、失う怖さも背負います。
…耐えられるのかな。
不安になることがあります。

だけどもう、ひとりでは生きられない。
大切な人と心が通う幸せを、
人が人を思うぬくもりの優しさを、知っているから。

失う怖さを感じたら、大切な人がいてくれる、「今」へ戻ってくる。
「今」への感謝と喜びを、噛み締めて、正直に伝えて、後悔がないように生きる。

何が起こるかわからない人生。
「今」を生きる意識を忘れず、1日1日歩いていけば、失う怖さに打ち勝てる…
そう思っています。

この記事を書いた約1年後、祖父が亡くなりました。
感謝していたつもりでも、感謝しきれていなかった…と後悔が湧いています。
後悔にどう向き合うか。
私自身、心を整理している最中ですが、こちらの記事もなにかヒントになれば幸いです。

chikuseki-history.hatenablog.com